2ニン+ワンHOUSE

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ワンコと暮らす家づくりの記録

フローリング問題 その後

web内覧会の途中ですが、今回はちょっと脱線してこちらの件をご紹介させてください。


我が家のLDKのフローリングでとても残念な出来事があったという事は以前お伝えしたと思うのですが…


この問題の決着がようやく着いたので、顛末をお知らせしたいと思います。


おさらいすると、我が家のLDKのフローリングは表面に4mmのオークの無垢板を使用した挽板フローリングになります。カンヌブランという商品名です。
表面に特殊な加工をした上にオスモオイルで塗装する事でグレイッシュな独特の色合いが出ています。マットな見た目とサラッとした質感が特徴でした。

そのフローリングに美装の時に樹脂系ワックスを塗られたのが今回の問題の発端でした。
通常オイル塗装のフローリングに樹脂系ワックスはご法度です。
このワックスを塗ってしまった事で変な艶が出てしまい、質感もツルツルと滑る質感に変わってしまいました。

こちらがワックスを塗る前のフローリングです。

そしてこちらがワックスを塗った後のフローリング。

光の加減や角度が違うので正確には比べられませんが、ワックスを塗った後の方が明らかに艶が出ていてマットな見た目が無くなっています。
質感も無垢のサラサラとした風合いが全く感じられなくなっていました。


この状態から元の状態に戻す事が大変難しかったのです。
これが無着色のオーク材なら表面を薄く削る事でワックスを綺麗に剥がす事ができたのですが、我が家の使用しているフローリングは特殊な加工をして着色した上にオスモオイルで着色しているので、表面を削ってしまってはそれらが全て取れてしまいます。
ワックスの剥離材を使ってワックスを剥がしても同様に表面の着色も取れてしまいます。

そんな状態でしたので、どのようにしてワックスを剥がすかというのを探る必要がありました。
ちなみに床の全面張り替えは、やはり壁や下地材へのダメージを考慮して採用するのは難しいと判断しました。
工期もかなりかかると思いますし。

工務店は余っているフローリングを持って帰ってワックスを剥がす方法を色々と試していました。
その結果、一番床への影響が少なくワックスを剥がせる方法として熱湯で拭き取るという方法を提案してきました。

まずは部屋の目立たないところで試してもらって、問題無いと判断したので後日床全面に施工してもらいました。
当日は工務店の社員6人がかりで作業していました。


工務店の人達がお昼休憩に行った隙に見に行ってみました。
その時の写真がこちらです。

あまりの汚さに絶句です。
熱湯で拭き取ってもワックスが剥がれているところと剥がれていないところでムラになっています。
中途半端にしか剥がれていない状態のせいで水染みができた時のように白くなっているところもあります。
さすがにこのままではダメだろうと、戻ってきた工務店の人に言うと、中性洗剤を使って拭き取るとよく取れるのでそうしますと言われました。

結局そこから更に作業して夕方に終了しました。
最終確認をしてみると、お昼に見た時よりは多少マシにはなっていましたがまだムラになっているのがわかりますし、艶も残っています。

工務店はこれ以上は無理ですと言っていたので、とりあえずこの日は終了して、仕事から帰ってきた夫に見てもらいました。
もちろん夫も了承せず、再度何らかの方法で補修する事になりました。
年末ギリギリでしたので、フローリング問題は解決しないまま年を越す事になってしまいました。


この時点で、もう自分達だけでは対処できないと思ったので、我が家のフローリングのメーカーであるiocの担当者に相談する事にしました。
一応、フローリングにワックスを塗られた事は伝えていたのですが、何か良い手は無いかを本格的に一緒に考えてもらう事にしました。

そこで、一度現場の様子を見にきてくれる事になりました。
iocは名古屋に会社があるので通常は担当者も名古屋にいるのですが、わざわざ関西方面まで来てくれる事になったのです。
その時に、普段iocのフローリングのリペアを請け負っている塗装業者も一緒に連れてきてくれる事になりました。
特殊な加工をしているフローリングだからこそ、それに慣れている業者の目で実際に見てもらえるのは大変ありがたかったです。
工務店側がこれくらいやればOKだろうと思っている事が、全然ダメなんだという事を第三者から指摘してもらう目的もありました。


そして、1月下旬にiocの担当者と塗装業者さん、工務店が我が家に集まりました。
実際の我が家のフローリングを見て、iocの担当者も塗装業者さんも顔をしかめていました。
塗装業者さんが現場の様子を見ながら色々と試していましたが、結局部分的なリペアはできても床全体のリペアはさすがに無理との事でした。

工務店側は、やはりワックスの剥離材を使うのが一番綺麗にワックスを剥がす事ができるという答えでした。
ただ、サンプルで試した時は剥離材を使ったらフローリングの白っぽい塗装が取れてフローリングの色が濃くなったそうです。
試しに我が家のフローリングでも剥離材で剥がしてもらったらこんな感じになりました。

確かに周りの板より色が濃くなっていますが、艶は消えています。
表面の着色塗装が取れてしまっているのなら、この上から再度オスモオイルで着色塗装すれば良い感じになるかもしれません。
ただ気になるのは、人の手で作業するので前回の熱湯での拭き取りの時のようにムラになるのでは無いかという事なのです。

それに悩んでいると、iocの担当者から提案がありました。
実は以前も同じように樹脂ワックスを塗られたお宅があったそうで、その時は機械で表面を薄く削って補修した事があるそうです。
ただ、そのお宅のフローリングはオークの無着色の板だったので、表面を削っても問題無かったそうです。
なので、我が家の場合は着色されているので、表面を削った後に、元の色に似た色になるように着色し直すのはどうかという事でした。

とりあえず、業者に見積もりとサンプルを作成してもらう事にしてこの日は解散しました。


そこからしばらく経ってiocの担当者から連絡があり、サンプルと見積書を持ってきてもらう事になりました。

まず見積額は約30万円程度でした。
まぁ、これは我が家が払うわけでも無いので問題ありません。

問題は出来上がってきたサンプルでした。
一度表面を削った後に着色したものを何パターンか作成してくれています。

左がサンプル板で右が元の板です。
1枚の板を2つに切って片方をサンプル板としています。

サンプルの着色しているところの間の色がオークの素地の色です。
特殊な加工部分が完全に取れて黄色っぽい色になっています。
そこに元の色と似た色で着色しているのです。

写真ではわかりにくいですが、サンプルの色を見てみると、そのどれもべったり塗りました感があります。

元の板の方が自然な着色です。


やはり表面を削る事で、加工で黒っぽくしている部分も全て剥がれてしまい、その黒っぽい部分も含めて塗装で表現しようとしているのは無理があるようです。
そもそも、このフローリングは1枚ずつ微妙に色も違うので、同じ色で全面に塗ってしまうと見た目が全く変わってしまいます。

そんなわけで、せっかく検討して頂いたのですが、表面を削って着色案は採用できませんでした。


こうなると残るはワックスの剥離材を使った上からオイルで着色するしかありません。
とりあえず再度工務店に余ったフローリングを持って帰ってもらって、指示した通りにサンプルを作ってもらう事にしました。

一旦ワックスを塗った上で2週間ほど放置し、その後に剥離材を使ってワックスを剥がします。
そしてその上からメーカーに教えてもらった配合でオイル塗装する手順です。

そのサンプルを作ってもらっている最中にコロナ騒ぎが起こってしまい、いつ施工できるのかわからなくなってしまいました。
そんな中、とりあえず4月末にサンプルだけ持ってきてもらいました。
サンプルを見ると、塗装で色味は問題なく再現できそうだと判断したので作業してもらう事に決めました。
もうこれ以上最善の方法は無いので、これが最後だと覚悟を決めました。

そうこうしているうちに緊急事態宣言も解除されたので、6月に入って早々に作業を開始してもらいました。
作業日程は約1週間です。
作業そのものは4日間ですが、一つの作業ごとに乾燥期間を設けるのでそれくらいかかります。
2階のLDKと階段を上がってきたホール部分が施工されるので、基本的には2階は使用できません。
我が家は2階に生活の主要な設備が全て揃っているので、なかなか大変です。
基本的には1階で生活しつつ、最低限作業した日は2階には立ち入らないようにしました。

そんな生活を続けること1週間、昨日ようやく全ての作業が完了しました。


まずは作業開始前のLDKの写真です。

床が艶のあるところと無いところでムラになっていて汚いです。

ここから剥離材を使ってワックスを剥がしたらこんな感じになりました。

少し床の色が濃くなって、艶は全て消えてマットな質感になりました。
汚いムラも消えました。

ここからオスモオイルで3回塗装します。
1回目の塗装が終わった時点でこんな感じになりました。

少し色が白くなりました。
多少塗りムラはありますが許容範囲です。
思ったより綺麗に塗れていてホッとしました。

この上に更に2回クリア塗装します。
そうして完成したのがこちら。
今朝撮った写真です。

艶消しのクリア塗装のはずですが少し艶が出ています。
これは塗り方が悪いせいなのかワックスが残っていてオイルが浸透しないせいなのかはわかりません。

最初に載せていた写真と似たようなアングルで撮って比較してみます。

ワックス塗装前


ワックス塗装後


補修後


外からの光の加減が全然違うのであまり参考にはなりませんが、こうやって見比べてみるとワックスを塗った時よりも若干ましなようにも見えます。
結果的にワックスを塗った時の状態にほぼ戻っただけかもしれませんが、途中の汚い状態を見てるだけに、今の状態でも全然マシに思えます。

そもそも半年以上も前に数回見ただけの元のフローリングの状態の記憶もほとんど無く、入居して半年も経つとそこまでの拘りも無くなりました。
どうせ家具や滑り止めのタイルカーペットも敷くので床の見える範囲は少しですし。
それでも、何もしないよりも色々試した結果、こうやって何かしらの補修をしてもらった事で自分の中で納得する事ができたので、フローリング問題はこれで完了とします。


実は1年前の今日が我が家の着工日でした。
この日を記念してブログを始めたので、このブログも今日でちょうど1年になります。
1年前にブログを始めた時は、まさか1年後にこんな内容の記事を書く事になるとは思ってもいませんでした。
でも、今回の補修を完了する事でようやく我が家の家が完成した気持ちになりました。


非常に長くなってしまいましたが、ここまでお付き合い頂きありがとうございました。
次回はweb内覧会の続きでリビングとPCコーナーについてご紹介します。




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