2ニン+ワンHOUSE

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ワンコと暮らす家づくりの記録

収納の奥行きを考える

以前にも書きましたが、旧居は60年前に建てられた家をリフォームされた家でした。その為に収納もいわゆる押入れサイズの収納ばかりでした。
住んでいた方が年配の方だったせいか、収納は多かったのですが、全ての収納の奥行きが押入れサイズだったのです。クローゼット以外は中段に棚を設けただけの押入れそのものでした。
しかも、旧居はいわゆる九州間と呼ばれるモジュール寸法で作っていたみたいで、約950mmピッチで柱や壁が配置されていました。
その為、廊下や階段は通常の尺モジュールよりほんの少し広かったのかもしれませんが、収納の奥行きで950mmモジュールは非常に使い辛かったのです。
リビングの収納で押入れサイズは奥行きが深すぎるので、キャスター付きの収納ボックス等を使って2列に配置して使用していました。ですが、どうしても奥の物が取り出しにくくて、あまりうまく整理できませんでした。
クローゼットも無駄に奥行きがあるので、服をかけても前後にスペースが余ります。その分収納の奥行きを減らして部屋を広くすれば良いのに…といつも思っていました。

そこで、新居では場所に応じた収納の奥行きで設計する事を心がけました。
基本的な収納部分は全て芯寸法で455mmで設計しています。
扉の部分は壁よりも厚みが薄くなるので、収納内の有効寸法は32〜37cm程度です。これくらいあれば大抵の物は収納できます。
トイレットペーパーや箱ティッシュのストックも入るし、自宅で使用している掃除機や扇風機、ガスファンヒーターもギリギリ納まる寸法でした。ファイルや小物類も無理なく取り出しやすい寸法です。
この奥行きサイズは、リビング、キッチン、1階廊下の収納に採用しました。

洋服は基本的にはウォークインクローゼットに入れるので他で使う事はほぼ無いのですが、喪服や普段使わないようなスーツ等を仕舞う用に1階の寝室に小さめのクローゼットを設けました。
そこの奥行きは芯寸法で682.5mmとしました。これは尺モジュールの910mmの3/4の寸法になります。
通常クローゼットの設計をする時は有効で奥行き56〜58cm程度で設計しておけば、ハンガーに掛けた服が壁や扉と干渉する事はありません。
芯寸法682.5mmから壁厚と扉の厚さ分を引いたら、ちょうどこの値をクリアする良い感じの寸法になります。

更に、こちらは寝室の間取りになるのですが、クローゼットの扉部分が両サイドの壁から227.5mm分引っ込んでいる事でクローゼット前に少し余裕ができました。
また、クローゼット扉を開けた状態でも両サイドの壁から扉が飛び出さないので、動線の邪魔にもなりにくいと思います。

クローゼットの前に立って服を選んだりする事を考えたら、クローゼットの奥行きは必要最小限の寸法に抑えて、その前の部分のスペースを少しでも広く取る方が使い勝手は良くなる気がします。


収納を考える時に布団の収納用に押入れサイズの収納があった方が良いのでは?と言われる事があります。
我が家でも当初はどこかに布団収納用に奥行きの深い収納を設けようかなと考えていました。
でも、よく考えたら我が家にはいわゆる敷布団と言われる物がありません。ベッドなのでベッドパッドと掛け布団だけです。
仮に今後お客様用の布団セットを購入したとしても、毎日頻繁に出し入れするものでも無いので、収納する時には布団収納袋に入れて収納すれば良いのです。
最近はクローゼットサイズの布団収納袋もあるので、やはりわざわざ押入れサイズの収納は作らなくても良さそうです。
それに我が家には玄関の土間収納とウォークインクローゼットがあります。
どうしても奥行きのあるものを収納したければそちらに収納すれば良いのですよね。

ちなみに収納内の可動棚は減額調整で全て無しになりました。
収納内の棚って結構高いんですよね。
取り付け作業代とかもバカにならないので、全て自分達で取り付ける事にします。夫はDIYが得意なので任せる事にしました。
それに、収納する物の配置や量に応じて棚板の数を決めた方が無駄に棚板が余ったりしないので良いかなと思いました。壁に下地だけ入れておいてもらう事にします。
収納スペースなんて家族以外の誰も見ない場所なので、少々歪んだり仕上がりが雑でも気にしなくても良いのです。
最低限、きちんと収納できさえすれば良いので、棚板の設置はプロの力を借りなくても十分だと判断しました。

それからあともう一つ工夫した事があります。
これは最近家を建てた友達が採用していてなるほど!と思ったので私も採用する事にしたのですが、収納内の巾木は全てソフト巾木にしました。


(東リHPより)

部屋内と同じ木製巾木だと壁から1cmほど飛び出します。収納ボックス等を壁にぴったり寄せて配置したい時に、この1cmが邪魔をして隙間が開くのです。その点ソフト巾木だとほとんど厚みは無いので、壁にぴったりとくっ付けて配置できて無駄ができません。
それに値段も通常の木製巾木より安いので一石二鳥です。

収納は必要な場所に必要な大きさで作られる事が一番大事だと思います。
いくら家の中の収納スペースが多くても、欲しい場所に無ければ意味が無いし、その収納に入れる物や使い勝手を考えた大きさじゃなければ、うまく活用できないと思います。収納スペースって大は小を兼ねないのですよね。旧居での収納から学びました。
片付けが得意じゃ無いので、新居ではなるべく使いやすく、出したものをすぐに仕舞えるような収納を目指しました。




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